数年前から注目されつつあるデジタルサイネージ。画像をスライドショーで表示したり、動画を流したり、幅広い用途で使用できる配信メディアです。
近年では、AI搭載のものやタッチパネル対応、センサー連動など、高機能なものが展開され、ハードウェアだけでも数十万〜数百万と高価格なものも多くあります。
サイネージ導入の費用を抑えるためには、ある程度ご自身で対応することが重要になってきます。今回は、デジタルサイネージの自作の方法および低価格でサイネージを導入する方法をご紹介いたします。
デジタルサイネージとは、ディスプレイに画像や動画などのデジタルコンテンツを表示させることで、これまで紙媒体だったもの(ポスターなど)を、電子的に置き換えようというものです。
デジタルサイネージには、「スタンドアローン型」と「クラウド型」の大きく2種類があります。
「スタンドアローン型」とは、デジタルサイネージディスプレイにUSBメモリ等を挿入するだけで、メモリ内のデータ(画像や動画)を読み込み、スライドショー式に表示する仕組みです。そのもの単体で完結する仕組みなため、ネット環境などの外部の影響を受けづらいのが特徴です。しかし、ネット環境下で制御されているものではないため、表示画像を変更したい場合はメモリ内のデータを書き換えるという煩雑な作業が必要です。
スタンドアローン型のサイネージを自作するとなると、それ専用に1から設計し製品を開発する必要があるため、一般の素人では自作はほぼ不可能と言っていいでしょう。
一方で、「クラウド型」とはネット環境で制御されているデジタルサイネージです。STB(セットトップボックス)と呼ばれるデジタルサイネージ専用の表示端末をディスプレイに挿入し、STBがクラウド上のでデータを参照することで、そのデータをディスプレイに映し出すという仕組みです。「クラウド型」ではネットワークで制御しているため、表示コンテンツの変更や、遠隔で操作が可能です。
クラウド型サイネージについては、「Amazon Fire TV Stick」や「Chromecast with Google
TV」等の市販品を用いて、擬似的にサイネージを自作することが可能です。
「クラウド型」サイネージにおけるサイネージ運用の自作方法をお伝えします。
「Amazon Fire TV Stick」や「Chromecast with Google
TV」は、クラウドフォトライブラリを参照して表示する機能があります。Amazonであれば「Amazon Photos」、Googleであれば「Googleドライブ」あるいは「Googleフォト」です。
これらはクラウド上に画像や動画データをアップロードすることで、データを保管するサービスです。
クラウド上に保管されたデータをスライドショーとしてディスプレイに表示することで、擬似的にデジタルサイネージとして運用することが可能です。この仕組みを利用し、ディスプレイはお持ちのもの、あるいは、安いTVのディスプレイなどを使用することハードウェア自体のコストも抑えられるでしょう。
しかし、「Amazon
Photos」は画像しか再生できない点やこれらのクラウドフォトライブラリはデータ量によって従量課金されるというデメリットがあります。
市販品をうまく利用することで、初期コストを抑えられ、手軽にデジタルサイネージ運用を開始できます。また、サイネージとしての利用が終わればおうちでも楽しめることができ、買って無駄になることは非常にまれでしょう。
クラウドフォトライブラリを使用したデジタルサイネージの自作方法を説明しましたが、本来の用途とは違う使用であり、かえって導入時には手間がかかる・やり方がわからないというケースも少なくありません。
もっと手軽に、かつ、費用を抑えてサイネージを導入する方法として、PANELIZE(パネライズ)を利用する方法があります。
PANELIZE(パネライズ)はデジタルサイネージ運用のために開発されたソフトウェアであり、手軽かつ簡単にデジタルサイネージが運用できます。表示したいディスプレイにはパネライズSTBを挿入するだけで、「Amazon Fire TV Stick」や「Chromecast with Google TV」と同様です。クラウドへの画像・動画データのアップロードについては、それを管理するための専用の管理画面があり、画像・動画のアップロード、コンテンツ順序の変更、複数サイネージの一括管理など、多機能かつシンプルに利用できます。
価格面においても、初期費用は一切かからず、月額¥2,980のみで導入することができ、非常に安価です。デジタルサイネージを自作する人件費を考慮すると、もっとも手軽かつ低価格でサイネージを導入できる方法と言えるでしょう。
デジタルサイネージ運用でもう一つ重要なのは、コンテンツの作成です。コンテンツ作成をデザイン会社など外部に委託するとそれなりの費用が発生してしまいます。動画データだとなおさらです。
サイネージ用のコンテンツを自作することで、デザインにかかるコストを抑えながらデジタルサイネージ運用が可能です。
サイネージ用のコンテンツ作成にあたっては、「Adobe Illsutrator」や「Adobe Photoshop」、「Microsoft Office PowerPoint」などで画像の作成が可能です。動画においては、「iMovie」などで作成することが可能です。コラム「【初心者向け】デジタルサイネージのコンテンツの作り方|自作方法の紹介 」で初心者用のデジタルサイネージ用コンテンツの作成方法や作成のコツについて、紹介しています。
デジタルサイネージの自作方法について、ご紹介いたしました。サイネージ導入にあたってできる限り費用を抑えるためには、できることはご自身で対応することが重要です。
人件費とも考慮しつつ、ご自身で対応できるところは対応し、難しいところは外部に委託することで全体効率を図れるでしょう。
パネライズコラムではさまざまなデジタルサイネージに関する有用な情報を配信しています。他のおすすめ記事や新着記事もぜひご覧くださいませ。