「デジタルサイネージを導入したけれど表示するコンテンツを毎回外注すると費用がかかる。」
「PowerPoint(パワーポイント)やGoogleスライドを使って、自分たちでサイネージ用の画像を作れないだろうか。」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
結論から言うとPowerPointやGoogleスライドだけでも、デジタルサイネージで十分に利用できるコンテンツを制作できます。
実際に店舗・企業・病院・薬局・工場・オフィスなど、さまざまな現場でPowerPointを活用してお知らせやキャンペーン、営業時間の案内、社内掲示などを作成しているケースは少なくありません。
一方で、
- サイネージに表示したら文字がぼやけた
- 左右に黒帯が表示された
- 縦型ディスプレイでレイアウトが崩れた
- 画像が粗く表示されてしまった
といったご相談も数多くいただきます。
これらの原因の多くは画面サイズ(アスペクト比)・解像度・画像の書き出し設定です。
この記事ではPowerPoint・Googleスライドを使ったデジタルサイネージ用コンテンツの作り方から、失敗しないためのサイズ設定や画像の書き出し方法まで、実際の運用事例を交えながら詳しく解説します。
- PowerPoint・Googleスライドでデジタルサイネージ用コンテンツを作る方法
- PowerPoint・Googleスライド・Canvaの違い
- サイネージに適した画面サイズ(16:9・9:16)
- 解像度や画像サイズの考え方
- 画像をきれいに表示するためのポイント
- 作成したコンテンツを効率よく更新する方法
PowerPoint・Googleスライドでデジタルサイネージ用コンテンツを作る方法
PowerPointとGoogleスライドは、どちらもデジタルサイネージ用コンテンツの制作に利用できます。
ただし、サイズ設定や画像の書き出し方法には違いがあるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
PowerPointでデジタルサイネージ用コンテンツを作る方法
① 新しいプレゼンテーションを作成する
PowerPointを起動し、新しいプレゼンテーションを作成します。
デジタルサイネージでは画面いっぱいに表示するため、タイトルスライドではなく「白紙」のレイアウトから制作を始めるのがおすすめです。
② スライドサイズ(アスペクト比)を設定する
コンテンツを作り始める前に、スライドサイズを設定します。
画面上部の
[デザイン]→[スライドのサイズ]→[ワイド画面(16:9)]
を選択すると、一般的な横型デジタルサイネージに適した比率になります。
縦型サイネージでは、
[デザイン]→[スライドのサイズ]→[ユーザー設定]
から縦横を入れ替えて設定してください。
| 用途 | スライドサイズ |
|---|---|
| 横型サイネージ | 33.867 × 19.05cm(16:9) |
| 縦型サイネージ | 19.05 × 33.867cm(9:16) |
PowerPointではcm単位で設定しますが、重要なのは16:9または9:16の比率にすることです。
③ コンテンツを作成する
写真・テキスト・図形・アイコンなどを配置してコンテンツを作成します。
サイネージは遠くから見ることが多いため、
- タイトル
- 写真
- キャッチコピー
程度に情報を絞ると視認性が高くなります。
④ PNGまたはJPEG形式で保存する
コンテンツが完成したら、
[ファイル]→[エクスポート]
または
[名前を付けて保存]
からPNGまたはJPEG形式で保存します。
文字や図形を鮮明に表示したい場合は、PNG形式がおすすめです。

Googleスライドでデジタルサイネージ用コンテンツを作る方法
Googleスライドでもデジタルサイネージ用コンテンツを作成できます。
Google Workspaceを利用している企業では、ブラウザだけで編集でき、複数人で共同編集しやすい点が大きなメリットです。
しかし、Googleスライドでは16:9などの画面比率は設定できますが、PowerPointのように画像を書き出す際の解像度を細かく指定することはできません。
① 新しいプレゼンテーションを作成する
Googleスライドを開き、新しいプレゼンテーションを作成します。
タイトルスライドは使用せず、「空白」のスライドから制作を始めるとレイアウトしやすくなります。
② ページサイズ(アスペクト比)を設定する
コンテンツを作成する前に、
[ファイル]→[ページ設定]
を開きます。
横型サイネージでは
「ワイドスクリーン(16:9)」
を選択してください。
縦型サイネージの場合は「カスタム」を選択し、9:16の比率になるようページサイズを設定します。
なお、Googleスライドの「ワイドスクリーン(16:9)」はアスペクト比(縦横比)を設定する機能です。
1920×1080px(フルHD)の画像を作成する設定ではありません。
画像を書き出した際の解像度はGoogleスライドの仕様によるため、PowerPointのように細かく画像サイズを調整することはできません。
③ コンテンツを作成する
写真・テキスト・図形・アイコンなどを配置してコンテンツを作成します。
GoogleスライドもPowerPointと同様に、情報を詰め込みすぎず、
- タイトル
- 写真
- キャッチコピー
程度にまとめると見やすくなります。
④ PNGまたはJPEG形式でダウンロードする
コンテンツが完成したら、
[ファイル]→[ダウンロード]
からPNGまたはJPEG形式で保存します。
保存した画像は、そのままCMSやUSBメモリへ登録して利用できます。
PowerPointとGoogleスライドの違い
| 比較項目 | PowerPoint | Googleスライド |
|---|---|---|
| 利用環境 | Windows・Mac | ブラウザ |
| 共同編集 | △ | ◎ |
| スライドサイズ設定 | ◎(細かく設定可能) | ○(16:9・カスタム設定可能) |
| 出力画像サイズの調整 | ◎(比較的自由度が高い) | △(Googleの仕様による) |
| デザインの自由度 | ◎ | ○ |
| 操作性 | ◎ | ○ |
| おすすめ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| 向いている人 | 本格的にサイネージを運用したい企業 | Google Workspaceを利用している企業・共同編集を重視する企業 |
なぜデジタルサイネージはPowerPoint・Googleスライドで作る企業が多いのか
「デジタルサイネージのコンテンツ制作にはIllustratorやPhotoshopが必要」と思われることがありますが、実際にはPowerPointやGoogleスライドを利用している企業も数多くあります。
特に日常的にコンテンツを更新する店舗や企業では、「誰でも更新できること」が重視されるためです。
① 普段使い慣れているため、誰でも更新しやすい
PowerPointは多くの企業でプレゼン資料や社内資料の作成に利用されています。
そのため新たにデザインソフトを覚える必要がなく、担当者が変わっても引き継ぎしやすいことが大きなメリットです。
例えば、
- 店舗のお知らせ
- キャンペーン情報
- 新商品の紹介
- 営業時間の変更
- イベント案内
- 社内掲示
などは、PowerPointだけでも十分に制作できます。
Googleスライドも基本的な操作方法はPowerPointと似ているため、Google Workspaceを利用している企業では導入しやすいツールです。
② コンテンツを素早く修正・更新できる
デジタルサイネージは「更新のしやすさ」が重要です。
価格変更や営業時間の変更、イベント告知など、情報をすぐに変更したい場面は少なくありません。
PowerPointやGoogleスライドで作成しておけば、専門のデザイナーへ依頼することなく、自社ですぐに修正・更新できます。
コンテンツ制作のスピードが向上することでタイムリーな情報発信が可能になります。
③ 外注コストを抑えられる
デザイン制作を毎回外部へ依頼すると小さな修正でも費用や時間がかかります。
一方でPowerPointやGoogleスライドを利用すれば、
- タイトル変更
- 写真の差し替え
- キャンペーン内容の変更
- 価格改定
- 営業日のお知らせ
なども社内で対応できます。
長期的に見るとコンテンツ制作費を大幅に削減できる点も大きなメリットです。
PowerPoint・Googleスライド・Canvaはどれがおすすめ?
最近ではCanvaを利用する企業も増えています。
それぞれ特徴が異なるため、用途に応じて使い分けることが大切です。
| ツール | おすすめ度 | 特徴 |
|---|---|---|
| PowerPoint | ★★★★★ | 最もおすすめ。企業で広く利用されており、資料作成の延長でコンテンツを制作できる。 |
| Googleスライド | ★★★★☆ | 無料で利用でき、複数人で共同編集しやすい。Google Workspaceとの相性も良い。 |
| Canva | ★★★★☆ | 豊富なテンプレートがあり、デザイン初心者でも見栄えの良い画像を作成しやすい。 |
初めてデジタルサイネージ用コンテンツを制作する場合は、PowerPointがおすすめです。
多くの企業ですでに導入されており、操作に慣れているスタッフが多いため、継続的な運用につながりやすいでしょう。
現場でよくあるケース
PANELIZEではPowerPointで作成したコンテンツをご利用いただくお客様が非常に多く、特に薬局・歯科医院・病院・工場・企業では、PowerPointが最も利用されているコンテンツ制作ツールの一つです。
一方でお問い合わせで最も多いのは「画面サイズ」と「画像の書き出し設定」に関する内容です。
PowerPointでは問題なく表示されていても、サイネージでは、
- 左右に黒帯が表示される
- 画像が引き伸ばされる
- 文字がぼやける
- 解像度が低く見える
といったケースがあります。
こうしたトラブルの多くは制作前に画面比率(16:9・9:16)を正しく設定し、サイネージに適したサイズで画像を書き出すことで防ぐことができます。
デジタルサイネージ制作で最も重要な「画面サイズ(アスペクト比)」とは
PowerPointやGoogleスライドでコンテンツを制作する際、最初に設定しておきたいのが画面サイズ(アスペクト比)です。
アスペクト比が異なるまま制作すると、サイネージへ表示した際に画像が引き伸ばされたり、上下または左右に黒帯が表示されたりする原因になります。
横型サイネージ(16:9)
現在販売されているデジタルサイネージの多くは16:9です。 PowerPointでは「ワイド画面(16:9)」を選択することで、一般的なサイネージに対応できます。 フルHD(1920×1080)のディスプレイが最も普及しているため、迷った場合は16:9を基準に制作すると安心です。
縦型サイネージ(9:16)
縦型ディスプレイでは横型のデータをそのまま使用することはできません。 PowerPointでは「スライドのサイズ」、Googleスライドでは「ページ設定」から縦長のレイアウトに設定してから制作を始めましょう。 制作途中でサイズを変更するとレイアウトが崩れることがあるため、最初に設定しておくことをおすすめします。
特殊サイズ・LEDビジョンの場合
LEDビジョンや横長ディスプレイ、正方形ディスプレイなどでは、16:9以外のサイズを採用していることがあります。 その場合は、実際のディスプレイの解像度や表示サイズに合わせてコンテンツを制作する必要があります。 導入前に機器メーカーやサイネージ事業者へ確認しておくことで、表示トラブルを防ぐことができます。
デジタルサイネージに適した画像サイズ・解像度とは?
PowerPointやGoogleスライドでデジタルサイネージ用のコンテンツを制作する際は、解像度(画像サイズ)を適切に設定することが重要です。
解像度が低すぎると文字や画像がぼやけてしまい、逆に必要以上に高解像度にするとデータ容量が大きくなり、管理や配信の効率が悪くなることがあります。 一般的なデジタルサイネージでは以下のサイズを目安に制作すると安心です。
| 用途 | 推奨サイズ |
|---|---|
| 横型サイネージ | 1920×1080px(フルHD) |
| 縦型サイネージ | 1080×1920px(フルHD) |
| 4Kディスプレイ | 3840×2160px(必要な場合のみ) |
現在でもフルHD対応のディスプレイが多く利用されているため、迷った場合は1920×1080pxを基準に制作すると多くの環境で利用できます。
4Kディスプレイだから4K画像を作る必要はありません
「4Kディスプレイを導入したのでコンテンツも4Kで制作した方が良いですか?」というご質問をいただくことがあります。 しかし、実際には必ずしも4Kで制作する必要はありません。 例えば43〜50インチ程度のデジタルサイネージでは、一般的な視聴距離でお知らせや案内を表示する用途ならフルHD(1920×1080px)でも十分な画質を確保できるケースが多くあります。
一方で4K画像はデータ容量が大きくなるため、
- ファイル管理が煩雑になる
- 配信時間が長くなる
- 再生端末への負荷が増える
といったデメリットもあります。 そのため用途に応じて適切な解像度を選ぶことが重要です。
ディスプレイだけでなく、STBの出力解像度も確認しましょう
デジタルサイネージではディスプレイの解像度だけを見てコンテンツを制作してはいけません。 重要なのは、
- ディスプレイの対応解像度
- STB(再生端末)の出力解像度
- CMS側の配信設定
の3つです。 例えば4K対応ディスプレイを設置していても、CMSで使用しているSTBの映像出力がフルHD(1920×1080)に設定されている場合、実際に表示される映像もフルHDになります。 このような環境では4K画像を制作しても画質の向上を十分に活かせないケースがあります。 コンテンツ制作を始める前にディスプレイだけでなく、STBやCMSの仕様も確認しておくことをおすすめします。
現場メモ
PANELIZEでは「4Kディスプレイなので4K画像で制作した方がきれいに映りますか?」というご相談をいただくことがあります。 実際には43〜50インチ程度のデジタルサイネージではフルHDで制作・運用されているお客様も多く、一般的な案内表示や店舗のお知らせでは十分な画質を確保できるケースがほとんどです。 また、4K対応ディスプレイを使用していても、STBの出力設定やCMSの配信設定がフルHDになっている場合も少なくありません。 コンテンツは「ディスプレイの性能」だけでなく、「実際の表示環境」に合わせて制作することが効率的で安定した運用につながります。
PowerPoint・Googleスライドで画像を書き出す方法
PowerPointやGoogleスライドで制作したコンテンツは、一般的にPNGまたはJPEG形式で書き出して利用します。 PowerPointでは「名前を付けて保存」または「エクスポート」から画像として保存できます。 Googleスライドでは「ファイル」→「ダウンロード」からPNGまたはJPEG形式で保存できます。 文字を多く使用するコンテンツでは、JPEGよりもPNG形式の方が文字が鮮明に表示されやすいためおすすめです。
デジタルサイネージで利用できるファイル形式
CMSや再生端末によって対応するファイル形式は異なりますが、一般的によく利用される形式は以下のとおりです。
| ファイル形式 | おすすめ度 | 用途 |
|---|---|---|
| PNG | ★★★★★ | お知らせ・POP・案内・社内掲示など |
| JPEG | ★★★★☆ | 写真を中心としたコンテンツ |
| ★★★☆☆ | 対応CMSで利用可能 | |
| GIF | ★★☆☆☆ | 一部機種のみ対応 |
PowerPointやGoogleスライドで制作したコンテンツは、PNG形式で保存すると文字や図形を比較的きれいに表示できます。

デジタルサイネージ制作でよくある失敗
- ☐ 小さな文字を詰め込みすぎる
パソコンでは読めても、サイネージでは数メートル離れて見ることが一般的です。「1〜3秒で内容が伝わるか」を基準に、文字は大きく、情報量はできるだけ少なくしましょう。 - ☐ PowerPointの資料のように文章を書いてしまう
プレゼン資料では問題なくてもサイネージでは読む時間が限られます。1画面に情報を詰め込みすぎず、伝えたい内容を絞ることが重要です。 - ☐ 背景と文字色のコントラストが弱い
店舗照明や日差しの影響で見えにくくなることがあります。白背景なら黒文字、濃い背景なら白文字など、十分なコントラストを確保しましょう。 - ☐ 最後に画面サイズを変更してしまう
4:3で制作した後に16:9へ変更すると、画像や文字の位置が崩れる原因になります。制作を始める前に画面サイズを設定しましょう。
USB更新とCMS更新はどちらがおすすめ?
作成した画像をサイネージへ反映する方法は大きく分けてUSBメモリとCMSの2種類があります。
| 比較項目 | USBメモリ | CMS |
|---|---|---|
| 更新場所 | 現地のみ | インターネット環境があればどこでも |
| 更新時間 | 約5〜20分 | 約2〜3分 |
| 更新頻度 | 少なくなりやすい | 更新しやすい |
| 複数拠点管理 | 難しい | 一括管理可能 |
現場メモ
PowerPointでコンテンツを作成できてもUSBメモリで運用しているため更新が滞ってしまうケースは少なくありません。 PANELIZEへお問い合わせいただくお客様の中にも「PowerPointで作れるようになったけれど、USBを持って更新しに行くのが大変」というご相談は非常に多くあります。 コンテンツ制作だけでなく、更新方法まで考えてシステムを選ぶことが長く運用を続けるポイントです。
まとめ
PowerPointやGoogleスライドはデジタルサイネージ用コンテンツを内製化するための便利なツールです。 一方できれいに表示するためには、
- 画面サイズ(16:9・9:16)を最初に設定する
- フルHD(1920×1080px)を基本に制作する
- ディスプレイだけでなくSTBの出力解像度も確認する
- 文字が見やすいPNG形式で書き出す
- 更新方法まで考えて運用する
ことが重要です。

PANELIZEではPowerPointやGoogleスライドで作成したコンテンツを効率よく配信できるクラウドCMSをご提供しています。 「現在のコンテンツがきれいに表示できるか確認したい」「運用方法を見直したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。



